翻って、我が国の現状はどうか。一応民主主義国家の体を装いながら、ほとんど一保守政党の統治を永らえさせ、対抗すべき統治力を身に付けた政党を未だに育てられていないこの国は、一体どういう国なのか。特に最近の統治政党の有り様は、実に酷い。人材枯渇も甚だしいと言わざるをえない。まだしも、派閥政治華やかな時代のほうが、同じ保守政治と言えどもまともだったように思う。
小選挙区制の選挙制度選択によって、政党を選ぶことになり、その党のトップにあらゆる力が集中するようになり、異論を許容しない政党運営が可能になったようにみえる。もちろん、リーダーの器次第といういかにも危うい形になっている。現政権の許容力のなさは、特に際立っていて、ヒステリックとさえ言える。国民を支配しやすい方向へとどんどん無理やり引っ張って行き始めている。実に危険な状況だ。
歴史は繰り返す。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というが、悲惨な体験も時間の経過とともに、どんどん薄れていく世の常の習いが、「警察国家」の再現を許しうるという事を肝に銘じておきたい。
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