駅のホームに立つと、何故か旅情をかき立てられるのは、私だけではないだろう。夜行列車の旅が好きだ。過ぎ去っていく窓外の灯を見ているのはおぼろげで心地良い。列車の車輪がレールの継ぎ目を越える音と共に、心もそのリズムに合わせて、様々な想念に没入していく。
深夜に通過するプラットホームを見て想う。昼間にはなにがしかの用で、そこに立つ人々。話し声もかまびすしく響いているであろうその場。
しかし、今はその人々も夢の闇に落ち、ただ深閑としてほの暗い灯りで照らされたホームだけが、走り去っていく列車を見ている。別離の哀しさ、期待の喜び、不安や怒りもあるに違いない。一瞬で飛び去っていくホームをぼんやりと見ながら、勝手な夢想だけが続いていく。
ふと、我に返ると、人の気配が消えたホー
ムは、ただ静かにそこにあった。急ぎ足の旅ではなく、こうした想いを包める旅がしたいものだ。
(画像はJR九州三角線終点の三角駅)

















