2008年8月9日土曜日

祭典と戦争

昨夜から、日をまたぐ時間に北京ではオリンピック開会式が始まりましたね。平和の祭典、スポーツの祭典としてのオリンピックの開幕に合わせるかのごとく、戦いの火ぶたが切られようとしています。競技の戦いではなく、殺し合いの戦いとして。

トルコの北隣にグルジア共和国という国があります。旧ソ連邦から分離独立した国の一つです。そこで今まさに戦争が始まろうとしています。グルジア内の親ロシア地域で、分離独立派が支配する南オセチア自治州にグルジア軍が侵攻し、対してロシア軍がグルジアに攻撃を開始しているニュースが報じられています。

スタジアム「鳥の巣」での開幕式典は、壮大なスケールと豪奢な演出で見る者を圧倒する内容ではありましたが、この時間にもグルジアでは銃火によって弱い人々が傷ついていると考えると、華麗な演出の裏にある中国でのチベット族の悲哀や地震の被災者の怨嗟の声が合わさって、灯された聖火が戦火に焼かれる炎にも見えてしまいます。

「これはこれ、それはそれ」という考え方が多いかも知れませんが、どうもお祭り気分にはなれそうもありません。

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