2007年6月24日日曜日

すり替えとぼかし

ミンチ偽装の内部告発に対して、農水省の現地農政事務所が当時の対処について、必死にその責から逃れようともがいている。官僚という種族は、責任を問われないようにする術については、ほんとうに細やかな神経を使う種族だ。



水俣水銀汚染発覚の時、熊本大学医学部の研究班が「有機水銀説」を発表した直後から、当時化学界では権威の集団だった東京大学工学部応用化学科総ぐるみで、その有機水銀説に猛烈な反証を加えていく。応用化学科の最優秀者から日本窒素(現チッソ株)へ採用されていたというらしいから、その努力たるや、熊大研究班には、脅威だったに違いない。当時、国、つまり厚生省や自治体は、不作為という形で日本窒素をかばう側だったことが、被害をあれだけ広げた要因だった。



太平洋戦争終盤沖縄において、日本軍の玉砕と運命を共にさせられた一般の沖縄の人々。歴史教科書から、その記述が除かれた。いわゆる「集団自決」という強制された集団死のことだ。沖縄では、各自治体の議会で、そのことに抗議する議決が採決されている。「美しい国」を目指すには、歴史を改変する必要があるのかも知れない。



しかし、今、官であれ、民であれ、この国において組織そのものが、おかしくなっているのかも知れない。つまり、それはそれを構成する人間のモラル(?)そのものが、異常を来しているとも言える。流離う国になりつつあると危うさを覚える。

2007年6月17日日曜日

健康志向?

若い頃は過酷なスポーツなどもしており、肉体にはそれなりに自信めいたものがあったものです。

しかし、今、風呂上がりに鏡に映る我が身を見ると、、、



「お父さんがこんな身体になるとは、思わなかったわっ」

と半分冷笑が交じった顔で嫁が言います。



「我ながら、ちょっと情けないよなぁ。。。」



そういう嫁もやはり経過する時間には抗い難い身体的特徴を示していたわけですが、



「私、黙ってたけど、1年ちょっと前くらいから、プールに泳ぎに行ってるの(笑)」

「えっ?そうなん?」

「ちょっと痛みが出るところも出てきたし、プールが良いって言われて^^」

「まぁ、それはそうきくけど、、、1年以上前から??」

「うん」

「黙ったままで?(-。-) ボソッ」

「続くかどうか分からなかったし^^」

「ふーん?そう。。。」

「あなたも行ってみる?」

「うむぅ。。。」

「今度時間があったら、行きましょうよ」

「腰痛にもええんかなぁ?」

「良いって言うわよ」

「なら、時間が出来たら」



と、こういう会話があった後の昨日、行ってみました。プールへ。

運動不足気味なのは自覚していたものの、なかなか体が動き出さなかったこともあり、気が向いたらという放置状態であったのです。嫁に誘われて久々の水の感覚は、「ちょっと泳いだろか!!」と言う前向きの気持ちを出させる気持ちの良いものでした。



「私の華麗な泳ぎも見て」という妻の横をすり抜け、サッとクロールで泳ぎ出しました。しかし、25メートルを往復すると、既に息が、、、心臓の鼓動も早く、、、

「あれ?これほど体力も落ちていたのか」と唖然とする状態。泳ぎは得意で自信はあったのですが、落ちた体力はどうしようもなく、、、

1年以上前から始めていた妻の泳ぎは、形こそ華麗さからはほど遠い状態ながら、私がプール端に腰掛けているのを横目に、何往復もするではありませんか。



1時間ほど軽く泳いで、プールを後にしましたが、

「うむぅ。。。このままではあかん」(心の声)


「また、来ようね?^^」

「うんっ! 来る!!」 この力みは、何なんだ?(笑)

2007年6月16日土曜日

優先順位

遅れていた梅雨もやっとその気を出した様子で。関東方面は入梅後、真夏日だそうですが、ここ熊本では梅雨らしい雨空を見せ、本格的な雨が降り出しました。それがどれほど続くかは分かりませんが。市街地縁辺部の田では、この雨を逃すまいと、田開きをするトラクターが動き回っています。不足気味だった水が確保できて、一安心でしょう。農家にとって、今何をおいても、真っ先にしなければならないことですから。



我が家の愛犬は雨模様の日、雨よけのあるテラスか、犬小屋で恨めしげな表情で外を見ています。彼にとっては、太陽が降り注ぐ晴天を待ち望んでいるのでしょうけどね。彼にも優先順位はあって、食事、主人との遊び、散歩となるのでしょう。犬の順位付けで面白いのは、飼い主家族間でも順位付けをすることです。犬はちゃんと家族関係を見極めて、誰がボスなのかをちゃんと把握しているとか。それを確かめる方法は、等距離に家族が並んで犬を呼んでみることだそうです。呼ばれて最初に向かった人が、第一位。あと、一位の人が抜けて同じようにして犬が向かう先で順位が分かるという訳です。我が家では、当然私が第一位です。(のはずですw)



今、子供達がすべて家を離れ、寮、下宿で学業に精を出して(?w)いるので、なんだか新婚時代に戻ったような雰囲気が。(爆笑) 夜、時間が出来たときなど、夫婦二人で夜遊び(?)などに興じ始めたりしています。まぁ、夜遊びと言っても、ちょっと食事に出かけたり、夜のショッピングを楽しむ程度なのですが、それがなかなか良い雰囲気を醸しているわけで(笑)



「この頃、どうしたん?」

「何が?」

「何がって、雰囲気ちゃうやん?」

「あぁ、そのこと?(笑) あなたの順位が戻ったのよ(笑)」

「順位?何の?(^_^;))

「子供達が家を離れたでしょ?もう、そんなに気をかけずに済むようになったし、母親から妻に戻ったとでも言うのかな?女を取り戻したでも、いいけど(笑)」

「で、順位って?(^_^;)」

「子供達が一番で、お父さんは一番下だったの。母親だったんだもん」

「一番下やったんか?<・b・;>」

「それは仕方がないでしょ?(笑)」

「うむぅ。。。。。(^_^;)」

「でも、こうしてまた仲良くできるじゃない?(笑) 良くないの?^^」

「まぁな。。。」

「また、新婚時代みたいで、良いでしょ?(笑)」

「それは、そうなんやけど。。。一番下やったんかぁ。。。(-。-) ボソッ」



熟年離婚が珍しくない今、こんな会話が出来るだけでも、良いのかなぁ?

でも、一番下だったとは。。。(苦笑) まぁ、こんなもんなのでしょう。

愛犬の順位判定は、止めとこうかなぁ。。。



2007年6月10日日曜日

お役所仕事

言葉というものは面白い。表現が的確だと尚更だ。

名は体を表すと言うが、役所、役人のする仕事への批判的表現では、「お役所仕事」が一番光っている気がする。辞書に依れば「形式主義に流れ、不親切で非能率的な役所の仕事ぶりを非難していう語」となる。



今、世間を騒がせ、不安、怒りを呼んでいる社会保険庁年金記録管理さぼり事件は、今までの定義に「仕事を無責任に行う」「自分たちの不始末のつけを国民に回す」という意味が加わったと言うべきだろう。この事で腹を立てない人がいるとしたら、よほどのお人好しか役人関係者かもしれない。公務員関係の共済は、しっかりと管理しているに違いないのだから。



こうした話にもならない不始末が他の省庁、公的機関にもあるのではないか?たまたまそれがまだ顕在化していないか、もしくはリークされていないだけなのでは?と思える。自分たちの保身は最大限守ろうとするこうした役人根性というのは、根絶やしには出来ないのかも知れない。



だからこそ、その役人を監督すべき政治家を如何に選んでいくかが肝心なのだが。。。。この国の選挙を見ると、それも特に最近のでは、唖然とするような人物すら選ばれていくのだから、話にもならない。この国はいずこへ漂流していくのだろう?

2007年6月6日水曜日

バベル

昨夜、時間があったので久しぶりに映画を観た。『バベル』だ。



カンヌ映画祭で監督賞を取って以降、菊池凛子がアカデミー賞の最優秀助演女優賞候補としてノミネートされたとかの話題がメディアで騒がれていたが、、それほど期待を持って観に行ったわけではなかった。アカデミー賞が必ずしも映画そのものの出来具合で評価されているとは思っていないからだ。



しかし、秀作で見応えのある映画だった。お勧めの一本だ。

メキシコ人であるAlejandro González Iñárritu監督は「相互理解」の困難さを、人種間、親子間、宗教間のストーリーで描いている。中でも、聾の女子高生を演じた菊池凛子の演技は想いが伝わらぬ苛立ちを見事に見せていたと思う。