2007年6月24日日曜日

すり替えとぼかし

ミンチ偽装の内部告発に対して、農水省の現地農政事務所が当時の対処について、必死にその責から逃れようともがいている。官僚という種族は、責任を問われないようにする術については、ほんとうに細やかな神経を使う種族だ。



水俣水銀汚染発覚の時、熊本大学医学部の研究班が「有機水銀説」を発表した直後から、当時化学界では権威の集団だった東京大学工学部応用化学科総ぐるみで、その有機水銀説に猛烈な反証を加えていく。応用化学科の最優秀者から日本窒素(現チッソ株)へ採用されていたというらしいから、その努力たるや、熊大研究班には、脅威だったに違いない。当時、国、つまり厚生省や自治体は、不作為という形で日本窒素をかばう側だったことが、被害をあれだけ広げた要因だった。



太平洋戦争終盤沖縄において、日本軍の玉砕と運命を共にさせられた一般の沖縄の人々。歴史教科書から、その記述が除かれた。いわゆる「集団自決」という強制された集団死のことだ。沖縄では、各自治体の議会で、そのことに抗議する議決が採決されている。「美しい国」を目指すには、歴史を改変する必要があるのかも知れない。



しかし、今、官であれ、民であれ、この国において組織そのものが、おかしくなっているのかも知れない。つまり、それはそれを構成する人間のモラル(?)そのものが、異常を来しているとも言える。流離う国になりつつあると危うさを覚える。

0 件のコメント: