2007年7月9日月曜日

またもや豪雨、熊本を襲う

すさまじい雨の降り様だった。県中央部の町では、山間部の集落が孤立。崖の崩落や山の沢からの出水で、国道が寸断されたりしている。過去にも地滑り等はあったのだろうが、こんな大きな被害が出たのは初めてだったらしい。

なぜ、こうした災害が増えているのか?気象変化の激しさがあるだろう。雨の降り方が尋常ではない。時間雨量が90ミリなど、かつて体験したことさえない。

ただ、山からの出水は植林地の森林状態に起因するところもあると思う。以前ここでも書いたが、針葉樹(杉、檜)の植林地の管理が木材価格の低迷で行き届かず、木々の樹冠が鬱閉(木の密度が高く、樹冠が接し合い、日光が直接地面まで届いていない状態)していて、下草も生えず低木も育っていない地面は、腐葉土などの堆積もなくザレた地肌になっているところが多い。それ故、降り注ぐ雨水は、沢に一気に流れ出てしまい大きな災害を引き起こす原因と指摘されているのだ。広葉樹林でも限界量を超えれば、もちろん崩壊するのだが、管理不全の針葉樹単純林ではその限界量が低くなる。保水層がほとんどゼロに等しいとさえ言えるのだから。

しかし、その管理を行き届かせるには、今の市場価格では困難だと多くの林家が訴えている。

土木業界との癒着甚だしいあの緑資源機構(独立行政法人=農水省の天下り機関)などが、森林保全など真剣に取り組んでいるはずもなく、国家政策自体にも疑惑しか感じられない現状だ。

災害にも、この国の現状が現れている気がする昨今だ。

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