2007年7月20日金曜日

原発と地震

新潟中越沖地震で、柏崎にある東電柏原発の立地、設計基準に疑問符が出ている。発電した電気の変圧器設備で火災が起き、それを消火する設備も地震で破壊され自前で消火出来なかったことや想定以上の地震による加速度が計測されたという。またそれ以上に問題になっているのは、活断層上に立地しているらしいことがこの地震で明らかになったことだ。

エネルギー資源の乏しさから、国策により推進されている原子力発電。資源小国の日本にとって、夢の原発と言われたりもした時代があったが、それは既に過去の事だ。米国のスリーマイル島原発事故、ソ連時代のチェルノブイリ原発事故、それに東海村にあったJOCという核燃料加工施設で起きた放射線被曝事故は、広島、長崎の原爆よりもっと身近に放射線の恐怖を現代人に知らしめたのだった。

目に見えぬ放射線の恐怖は、こうした破壊が現実に起こり得る時に我々を襲う。普段は静かに沈潜しているだけだ。だが現実にはこの日本に北海道から九州まで17カ所53基の原子炉が既にあるのだ。今回の事故への東電の対処や政府の対応をみていると、結局原子力を自然の猛威から守る管理技術は、きわめて困難なことであり、費用も莫大になりそうだと言うことだろう。ある時点での知見には限界があり、未知の事へは対処が出来ない事を現していると言える。

エネルギー確保という命題はあるものの、制御し得ない技術依存のままでは、当分この危機感は拭えない。

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