この9月は自民党の総裁選挙ということで、マスコミはこぞってその趨勢を報道している。九分九厘、阿倍晋三というタカ派の政治家が、その自民党総裁の椅子に座るという情勢だそうだ。自民党内の各グループが、いわば翼賛化しているらしいので、既に決着はついているのかも知れない。
その阿倍晋三氏のキャッチコピーが「美しい国、日本。いま、新たな国づくりの時」だそうな。見た目は「美しい」が、その「味付け」は苦いものになるのでは?今は「醜い日本」なのだろうか?もし、そうなら、それは彼自身や彼の父親も含め、今まで政権を握り続けていた政治家集団にこそ、その責があるのではないか?政権構想の最初に憲法改正をあげているが、その方向性は今までの発言などから想像するに、どうもきな臭い方に向いているように見える。国民個々の尊厳より、国家の尊厳が重視されることになりはしないか?世情というのは、本当に川の流れの如しだ。大雨という危機が来ると、逆らいようがない激流となって、全てのものを押し流してしまう。怖い怖い。実に怖い。
今、『憲法九条を世界遺産に』という本が売れていると言う。太田光と中沢新一との対論らしい。ちょっと興味を引かれる本だ。明日にでも手に入れてみようと思っている。新政権誕生とともに、この今でも充分に「美しい日本」に秋風が吹かぬ事を祈っておきたい。
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