2010年7月7日水曜日

大相撲界とマスコミ界

まるで汚水の沈殿物から浮き上がってくる泡のように、大相撲関係者とヤクザとのつながりが浮上して来るのは、大相撲の世界にそうした沈殿物が溜まっているからに他なりません。そこに眼をつむったままでは、決してその沈殿物を取り去ることは出来ないでしょう。

芸能の世界でも、興行という形の中で、ヤクザとのつながりが濃厚にあったし、今もそれが全て払拭出来ているとは思えません。同じように興行と言う形をとる大相撲でも同じです。
今回、相撲協会が外世界へ見せた対応にも表れていますが、露骨な身内意識とあたかも大相撲界は特別な存在だと思っているのか、当初の会見の様子からもその傲慢さが透けて見えていました。「伝統」とか「国技?」などというものにあぐらをかいて、力士だけの世界観で全てを統べてきた結果が、今の状態を招いたと言えます。自称「国技」といえど、本質は「見せ物」とさして差異はなかったという事です。

それにしても、今までメディアは何を見てきたのでしょうか?特に報道を使命の第一義とする新聞は、相撲界に巣くう闇の部分を全く感知しなかったのでしょうか?週刊誌が何度も相撲界のスキャンダルを報じてきましたが、大手のメディアはその真相を究明することはありませんでした。様々な利害関係が関わってでもいるのでしょうか?あり得る話です。特にNHKは最も相撲界とは密接な関係を保ってきたはずです。1928年のラジオ中継から始めていた訳ですから。内部事情にも詳しくなかったはずはありません。

今回の事件を受けて、名古屋場所に「限って」、中継を止めると発表しましたが、取り組み終了直後に「ダイジェスト」を放送するようです。何と半端な対処でしょうか?ペナルティーどころか、顔色を伺っているようにしか見えません。NHK会長が中止理由に、「大相撲の改革の道筋が見えない」を挙げたが、では9月場所で、それは見えるとでも言うのだろうか?まだ未定なのに、「今回に限る」とは、時期尚早な判断だろう。各部屋、力士の後援会も含めて、ヤクザとの関係が潔白だと明らかになってはじめて中継再開の議論が出来るというものでしょう。

どうも日本のマスコミはその使命を果たすつもりは毛頭ないと考えざるを得ません。

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