2006年8月17日木曜日

亡霊

過去の亡霊が今息を吹き返し、闇の世界から 再び現れてきている。先の戦争で負けた時から、いや、狂信していたものから脱することを拒絶した時から、時間を止め、息を潜め、再び狂信へ誘(いざな)える時が来るまで沈んでたところから、その姿を現してきた。

「普通の国」「美しい日本」。耳に届くかぎりでは、当たり前と響くその言葉で真の姿を巧みに隠したまま、手招きをしている。戦うことの「勇ましさ」だけを称え、加害については「戦争だから仕方がない」と目をつぶり、考えることを止めさせる。

「進め!一億火の玉だ」「神州不滅」と踊らされ、美しくもない 「玉砕」という「自殺」へと駆り立てられた過去を、直視しなければならない。統治者の言葉を鵜呑みすることなく、「人間」として思考し続けなければ、そこに待っているのは「ロボット」と化した「人」だけだ。

自由な言論を封殺し、単純な思考回路を作る。正義か、しからずば不義かという二者択一の極致が、戦いを招く。今はまさにこの二者択一が世の中を覆い始めている。そのどちらでもない幅を生み出すのが、人間の知恵と言うものだ。亡霊に取り込まれぬように、知恵を磨き続けなければなるまい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この国のどこかで普通に暮らしている人たちが、「何故あの戦争が始まったのか?」「責任はどこにあるのか?」「何故今も戦争が続くのか?」を語っている。その存在にほっとしている。
声を出さねばいけない時がいつか来る・・その時にしっかりと物を言うことが出来る様に!!

kurohyge さんのコメント...

>匿名さん
平凡な人間であっても、ものが言える時代こそ、貴重なのでは?