2006年11月3日金曜日

連続の映画鑑賞

『父親たちの星条旗』を観てきた。秀作だ。ヒーローに祭り上げられた一介の兵士達を通して、国家指導者達の有様が、よく描かれている。「戦争について語る者は、本当の戦いを知らない。本当の戦いをした者は、思い出したくないし、忘れたいから、戦争の話はしないものだ」という言葉が印象に残った。その通りだと思う。戦いの最中でも、戦いの後でも傷つくのは、戦争指導者ではなく、一介の兵士達だと言うことだろう。

先日、NHKの番組で、硫黄島戦で生き残った元兵士達の証言ドキュメントも放送されたが、約2万2千人の硫黄島守備隊の内、からくも生き残って捕虜となった兵士は200名。島中に掘り巡らされたトンネルの中で、戦いは約一月半続き、飢餓や傷病で亡くなったり、口減らしのために味方から殺されたりした兵士達も多かったと言う。証言者が言っていた。「人間じゃありません。畜生になっていました」と。悲惨どころではない。凄惨な情景だったはずだ。「あの戦いは何だったんでしょうねぇ。。何も無しじゃ、亡くなった戦友が可哀想です。。。」と涙を流しながら
、その元兵士は話すことも辛そうだった。「しかし、今あの戦いについて話をしなければ、と思い始めたのです」とも。戦いの惨状を話せるようになるためには、61年間もの時間が必要だったと言うことだ。

憲法や教育基本法を変えて、どのような「美しい国」、「普通の国」を作ろうと言うのだろうか?

0 件のコメント: