2009年1月18日日曜日

どんどや

先週の日曜日に「どんどや」をしました。本来は14日夕刻〜夜、もしくは15日に行っていた正月の伝承行事ですが、現在は皆にとって都合の良い小正月前の日曜日の昼間にしています。

「どんどや」と熊本では言うのですが、他の地方では呼称が違うようです。私が以前住んでいた備後地方では「とんど」と言っていましたし、関東のある地方では「どんど」と言うようです。元々は「左義長(三毬杖)」という平安時代の宮中行事が起源というのが有力なようです。

私の子供の頃は、組み上げる竹やわらは地区の子供達が調達してくるのが習わしでした。今は子供の姿もまれな程に少なくなってしまい、大人達の役割になってしまいました。

街中では火災の心配もあり、行うところがなくなりつつあるようですが、私の住む地域ではまだ大きく組み上げて、焼いても心配ない場所が残っており、大事な地区の行事の一つとして各戸から一人は作業にでて恊働して継承しています。

中心部に燃焼用の心材を組み、その周りに竹やわら、正月のしめ縄、お飾りそして書き初めを竹の先端部分に付け準備を終えると、いよいよ火を付けます。勢い良く燃え上がる炎に熱せられた竹が弾けてパンパンと連続して高い音を出し始める時が、この「どんどや」で一番高揚するときです。孟宗竹のような肉厚な竹であれば、尚更大きな音とともに弾けます。そして熱で作られた強烈な上昇気流が、竹の先端に軽く止められた書き初めを空高く舞い上げます。見ている人たちが「おお!上がった、上がった」と声をあげながら、小さくなって飛んでいく書き初めの半紙を見送ります。高く上がれば上がる程、筆が上達すると言われているのです。

竹が弾けるのも落ち着き火勢が落ちて程よい頃合いになると、各家庭から持ってきたお鏡餅を切り込みを入れた竹にはさみ、各々やき始めるのです。これもなかなか楽しいひとときです。家によってお鏡の大きさも違い、焼き上手な人や焦がしてしまう人もいたりで、ワイワイガヤガヤとおしゃべりを楽しみながら焼き上げます。この「どんどや」で焼き上げた餅を食べると、無病息災でこの一年を過ごせるのです。(信じる事が大事ですよ^^)
都会に限らず、田舎でも昔に比べれば共同作業をする機会が減ってきている中では、地区に住む人にとって貴重なひと時でもあります。




0 件のコメント: