2010年6月13日日曜日

いよいよ今夜、「HAYABUSA」地球帰還

前にも書きましたが、今夜「はやぶさ」が運んできた小惑星「イトカワ」のサンプルが入っているであろうカプセルが、地球に帰還します。回収予定地点はオーストラリアのウーメラ砂漠の立ち入り制限区域。カプセル分離は19時51分(JST)、カプセル地球再突入時刻は22時51分(JST)。カプセルが自動的に放つビーコンをカプセル回収班が万全の体勢で回収作業に臨むそうです。
イオンエンジンの故障や姿勢制御系の故障など、地球帰還は不可能と考えて当然なトラブルに見舞われながらも、プロジェクトの方々の「あきらめない」、「粘り強い」姿勢とトラブル克服に見せた知恵と工夫は、日本の最先端宇宙科学者と科学技術陣の力量が存分に発揮された結果だと言えます。「」すばらしい」の一言しかありません。

やはり「世界一」を目指す魂がないと、こうしたプロジェクトは実現しなかったでしょう。
日本のロケット開発の父、糸川博士がロケット開発を提唱された理由が、「アメリカはロケットの時代に入りつつある」「ジェットエンジンの研究は遅れているが、ロケットは今からでもアメリカに遅れをとらないでやれる」「空気のない所でもアンテして飛べるロケットで、宇宙を自由に飛び回りましょう」だったそうです。その心には、世界一をめざす魂があります。

「事業仕分け」でスーパーコンピュータについて議論が交わされたとき、蓮舫議員が言った「2位じゃ駄目なんでしょうか?」という理屈は、科学技術の世界では「それこそ、駄目!」なんですよ。
「はやぶさ」プロジェクトチームと全ての関係者が成し遂げたことが、自信をなくした国民にどれだけ勇気と誇りを与えるか考えて欲しいものです。

お隣の韓国では、一段ロケットにロシア製のエンジンを載せた韓国初の人工衛星搭載のロケット羅老号が、昨年8月に打ち上げられた1号がフェアリング分離がトラブって、失敗。先日打ち上げられた2号機も、発射後137秒後に爆発して失敗してしまいました。韓国の国民が、宇宙科学技術開発の後塵を拝する憂き目に会い、どれほど悔しい思いをしているか。蓮舫氏や枝野氏は肝に銘ずるべきです。

ロケット開発というのは、実に難しい事だと改めて思います。我が国には数十年にわたる独自開発の成功と失敗を通した技術的蓄積があるからこそ、今回の「はやぶさ」プロジェクトが成功裏に終わりそうなのだと思うのです。この実績を潰えさせず、更に発展させる国家としての取り組みが重要だと思います。

今はとにかく、サンプルが入っていようが、いまいが、カプセルが無事回収される事を祈っています。
はやぶさカプセル回収の様子は、ネットで動画中継される予定。

再突入の中継映像は和歌山大学のチームによるものです(追加再突入直後)


(追記)
6月14日0時05分の情報によると、再突入したカプセル本体は捜索にあたった回収班のヘリコプターによって、予定エリア内において、目視確認されたそうです。
ほんとうに、おめでとう!!

(追記2)
14日午前にJAXAから発表されたヘリコプターから撮影された着陸したカプセルとパラシュートの画像ー視認しやすいように加工しましたー


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