2011年3月25日金曜日

福島第一原発 本当に安定化出来るのか?

冷却系のダウンによって、炉心冷却が出来なくなり、非常用炉心冷却システムも働かず、そして炉心溶融が起き、1号機と3号機では、水素爆発まで起こしました。
1基の炉心溶融でさえも大事故なのに、1号機3号機では、原子炉を収容している建屋と中を迷路のように走っているであろう配管や配線、そして制御室でモニターすべきセンサーなどが、あの大爆発で破壊を免れているとは、到底信じられません。
そんな状態であるにもかかわらず、外部電源を各炉に接続して、制御室に明かりが点灯したとしても、核心の原子炉の冷却系が復旧するなどと誰が安易に信じられるでしょうか?

福島第一原発の原子炉を設計した元GEのエンジニアの話を報じた米国のメディアによると、元設計者自身が福島第一原発で使われているBWR(沸騰水型原子炉)は欠陥品で、耐圧、耐熱の構造もギリギリで危険きわまりない状態になっているだろうと涙を浮かべて話したそうです。
また、国外の原子力関係の専門家によると、海水を冷却系に入れると、熱で塩分が固着し、バルブやその他の部分に不具合を起こすだろうと言っています。

そんな絶望的環境の中で、国が法令違反を問われないように便宜的に許容放射線量をかさ上げした中、放射線を浴びながら活動を余儀なくされている消防隊や自衛隊、東電の下請け企業の社員の人達が哀れです。彼らの安全や健康を守る為でなく、作業を強いる為の措置でしょうからね。彼ら自身の使命感には敬意を表しますが、メディアが美談に祭り上げる意図が分かりません。

また放射性物質や放射性希ガスは、事故当初からバルブ解放や漏出によって外部に放出されていて、その後の破壊の進行によって更に大量に放出、拡散しているという事です。事実、損壊原発を中心に、放射性物質の検出が関東圏全体に広がっていますね。そのせいで農家は一部野菜の出荷停止に追い込まれ、被害者を拡大し続けています。

政府、東電や原子炉関連メーカー、そして経済産業省管轄の原子力安全・保安院も原子力安全委員会も果たして真実を開示しているのでしょうか?自分達に不利な情報を秘匿している気がして仕方ありません。そして、彼らは住民や国民を守ることより、政府や東電を始め各電力会社、そして原子力政策を推し進めてきた学者達の自己保身の為に、情報をコントロールしている疑念を捨てきれません。そして大手メディアも徹底した事実解明をしようとしているようには思えません。公共放送を謳うメディアも似非安心キャンペーンに汲々としているようです。

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