2011年5月2日月曜日

言い訳に終始する統合本部会見

原子力委員会も文科省も放射性物質拡散の予測システム(SPEEDI)でのシミュレーション結果を、実際にはシミュレーションをしていたにもかかわらず、データが十分でなかったという理由(言い訳)で、公開しなかったと主張し続けています。また一部パニックを恐れたという安全委員会の言い訳もありましたが、データが信頼に値するだけ収集できた段階で公開を考えていたと言いますが、その言葉を信じる事はできません。データが不足した状況でも実際は5000回ほど行った計算結果の内、現在まで公開されているのはたった6回の結果に過ぎないことも、本日(’11.05.02夕刻)の統合会見で明らかになりました。

SPEEDIの活用は周辺住民の防護対策の為と下の解説にはありますが、今回の事態では自ら「意味のないデータに過ぎない」計算をなぜ数千回も行ったのでしょうか?
それにデータが揃わなくとも、一定の仮定のもと拡散シミュレーションを行い、被曝可能性を少しでも排除し、住民を守ろうとする意志があるのならば、一刻も早く公開すべきと私なんかは素朴に思うのですが、それも「意味がない」と周辺住民へ言うのでしょうか?何故、このシステムを作ったのか意味が分かりません。緊急時にあって、住民を守るという意思があれば、たとえそれが仮定に基づくものであったとしても公表して危険を広報するのがその目的だと思うのです。これまでの経過をみてきて、原子力安全委員会も保安院も東電も住民を守る事を第一義に考えていないとあらゆる事が示しています。

科学者の「玩具」として利用する為に税金を投入してきたと言うのでしょうか?原子力安全委員会も東電も「全力を尽くしてきた」とたびたび主張していますが、全力を尽くすのは当然の事であり、こんな場でこれ見よがしに主張する事ではないでしょう。

SPEEDIシステムも含め、原発の設置基準も非常事態の想定も最悪事態への想定のもとで作られていないと言うこともはっきりしました。そして、官僚も学者も「自分は一生懸命やったのだ。私は悪くない」と責任を逃れる事に汲々としているだけの存在だという事も分かりました。

こんな体制を私たちはこのまま放置しておいて良いのでしょうか?

SPEEDIについての文科省防災ネットでの用語解説には以下に示した解説がされています。

「●SPEEDIネットワークシステム

SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測, System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)ネットワークシステムは、原子力施設から大量の放射性物質が放出されたり、あるいはそのおそれがあるという緊急時に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び周辺住民の被ばく線量などを、放出源情報、気象条件及び地形データをもとに迅速に予測するシステムである。文部科学省、原子力安全委員会、経済産業省、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)、地方公共団体及び日本気象協会とを原子力安全技術センターに設置された中央情報処理計算機を中心に専用回線により接続している。

国、地方自治体はSPEEDIネットワークシステムが予測した情報により、周辺住民のための防護対策の検討を迅速に行うことができる。」

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