2011年5月3日火曜日

山岳遭難〜GW中に頻発〜

5月の山は好天に恵まれると、残雪と岩肌の色と青空のコントラストや木々にも新芽が芽吹いていたりして、その美しさに心を奪われるものです。GWともなると野営指定地には色とりどりのテントの花が咲いていた事を思い出します。

今年のGWも北アや南ア、その他の山域にたくさんの山好きが登っているのだろうと想像しています。しかし、残念な事に今年も滑落や落雷、疲労凍死と思われる遭難が報じられています。そのほとんどが中高年者の登山者のようです。

私も若い頃冬山やロッククライミングも含め、山に熱中した1人として、このブログで数度山岳遭難について記事を書いています。シーズンを問わず遭難は起こりうるのですが、山に向かう際は日頃の訓練はもちろんのこと、山行計画の適合性(ルート選択など実力に合致してるか)、最新の山岳の状態(ルート、積雪・残雪の状態等)や気象条件などを確認する事は事前準備として、当然しておかねばなりません。

そうした準備をしていても、山岳に入ってみると想定通りとはいかない事もしばしばあります。天候など事前の想定通りとはいかない事が当たり前と思っていた方が良いくらいです。天気図をつけ、観天望気の知識を総動員して、危険と感じれば安全な場所で退避、もしくは下山の決断すら必要になります。特に山行計画が休日に限定される計画であれば、時として天候を甘く見積もったりする傾向もあり得ます。

私も苦い経験の一つとして、長期の北ア縦走をした時に、ある山域で雷雲に包まれてしまった事があります。近くには山小屋もなく、その当時の避雷措置として可能な限りコルまで下り、ツェルトを被り、身を低くしてビバークしましたが、雷雲が去るまでは生きた心地がしませんでした。

また残雪期とくに4〜5月頃というのは、雪解けで凍り付いていた小岩石が緩み落石も起きやすくなり、また手足をホールドする岩が安定性を失っている事すらあり得ます。季節に応じた知識を持つ事の重要性が、自然の中に潜む危険を一定程度回避させることを忘れてはなりません。

登山は登っていく辛さを越え計画を達成すると、大きな充足感を得られます。悲惨な遭難を回避する為に、山へ向かう人々は、必要な技術、知識、体力を備えた上で、挑戦して欲しいものだと、遭難事故の報に接する度に思います。

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