2011年5月15日日曜日

東電の「想定外」〜想定されていた〜

東電が渋々認めた「メルトダウン」

津波前の地震で1号機原子炉破損?

炉心損傷に至る大津波は原子力安全基盤機構の研究で、既に07年度から解析結果が公表されていたと毎日jpが伝えています。また、共同等によると1号機では地震当日の夜、毎時300mSvという高い放射線量が検知されていたことから、津波被害の前に地震の揺れで配管系も含めた原子炉自体に損傷が起きていた可能性がある事を東電関係者も認めたと伝えています。

そもそも手探りどころか、損傷の疑いもある計器の数値を頼りに、応急的対応をしなければならなかったとはいえ、東電がこれまで公表してきた事は、希望的観測とでもいうべきものだったようです。それとも疑われたとしても、「総合的判断」で目をつぶったのかも知れません。

正常運転とは違い、破壊の全容もわからず、全てがほとんど手探り状態の中、臨機応変に対処する能力が果たして東電にあるのかどうかさえ、もう疑わしい。これは東電だけでなく、日本の原子力関係の専門家においても同様です。

炉心溶融事故や爆発事故はwikipediaによれば、小規模や軍事用を別にすると、大規模なものとしては、スイスのルーセンス原子炉事故(1969)、スリーマイル島事故(1979)、チェルノブイリ事故(1986)の4例しかありません。小規模、軍事用で起きたもの8例を入れても12例しかない極めて経験の少ない事故であり、対処の方法も事故の概要が異なればそれぞれ個別的対処を迫られると思われますから、マニュアルのない事故処理と云うべきなのでしょう。

もう一度云いますが、最悪事態の想定を無視し続けていた日本の事業者、専門家だけでは対処は無理だったのです。後手に回った米国のNRCの応援を受けながらでも、好転させるのは最早困難な状態に来ていると私は思っています。

さらに気がかりなのは、破損した各号機でメルトダウンしている溶融核燃料が再臨界の状態に入っていることはないのか?ということです。もう制御棒もないでしょうし。この事は放射される核種で判断できるらしいのですが、どうなんでしょうね?ひょっとしてそれも隠されている?水蒸気爆発が起きない事を祈ります。

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