2011年4月22日金曜日

海外からの不信〜原発事故情報隠蔽の結果〜

国内の外国人が逃げ出し、海外からの渡航客が激減したのは、事故発生直後からの情報発信の不透明さ故です。東電、保安院、官邸から発出されたバラバラの情報のほとんどは後出し情報ばかりで、バックアップ電源喪失後、1号機の建屋が水素爆発を起こし放射性雲の拡散が確実になってから、特に後出しがひどくなりました。さらに3号機でも水素爆発が起き、放射性雲の漏出が増加した後、フランスなどでは拡散シミュレーションを公開し始めていたにもかかわらず、当事国の日本ではSPEEDIというシミュレーションシステムを有しながら、その結果を公開しませんでした。

そうした情報公開への後ろ向き、もしくは逡巡の姿勢が、海外に不信感を植え付け、渡航客に避けられたと考えるのが自然でしょう。世界地図を思い浮かべれば分かる事ですが、海外から見れば、日本列島などほんの小さな島国にしか思われないでしょうし、放射性雲が直ちに全列島を覆うのではという懸念が生じても不思議ではありません。

正確な情報を出し、国民や海外の信頼を得てさえいれば、ここまで忌諱されたり激減したでしょうか?地震や津波、そして原発事故の影響を大きく受けている地域を除けば、他地域は安心して旅行なども出来ると伝わったはずですし、海外の機関が渡航自粛を宣することもなかったかも知れません。

こうした官邸や東電による情報隠しの姿勢が国内や海外の「流言飛語」を生み出したと言えます。前の記事に書いた「ネット上の流言飛語規制」は、まさに「マッチポンプ」のようなものです。自らその因を作り、火消しに躍起になる。全く馬鹿げていて愚かなことです。

九州の宮崎で恒例になっている宮崎国際音楽祭に出演予定のバイオリニストなどが参加を辞退したそうですが、影響をほとんど受けていない自治体は共に安全情報を積極的に海外に向かって発信すべきではないでしょうか?それこそInternetを使って、データに基づいた「安心情報」を送出すべきです。

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